ドクターに直接相談したい方はこちらをクリック

セラミック矯正とは?手順・治療期間・注意点を歯科医師が解説

セラミック矯正とは?手順・治療期間・注意点を歯科医師が解説
キョウ菜

セラミック矯正って、他の矯正より治療期間が短いんですよね!

キョウ香

接客業なので、装置をつけずに済むセラミック矯正が良いのですが…

といった理由で、セラミック矯正を希望される患者さまは多いです。

たしかに口元にコンプレックスがあり、すぐにでも歯並びを治したい方にとって、セラミック矯正は魅力的な治療法ですよね。

しかし、セラミック矯正のデメリットやリスクを知らずに治療を受けてしまうと、後悔してしまう可能性も…。

そこで本記事では、「セラミック矯正を検討している患者さまに役立つ情報」を、日本矯正歯科学会・認定医の下元が損得勘定を抜きにして紹介していきます。

矯正認定医:下元

セラミック矯正をするか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね!

本記事がおすすめな方
  • セラミック矯正を受けようか迷っている方
  • 本当のメリットやデメリットを知りたい方
  • どんな手順で治療をするか知りたい方
執筆・監修者

下元 康英(しももと やすひで)

大阪(梅田)・東京(新宿)の2院で理事長と矯正担当医を兼務。

患者さま利益を追求した治療をするために、治療の長所だけでなく欠点も丁寧に伝えるカウンセリングに力を入れている。

執筆者
矯正担当医
日本矯正歯科学会・認定医
オランジェ矯正歯科グループ理事長
目次

セラミック矯正とは?手順や治療期間を紹介

セラミック矯正とは?手順や治療期間を紹介

セラミック矯正とは、天然歯(自分の歯)を削ってセラミック素材の人工歯を被せることで、歯並びや見た目を改善させる治療法のことです。

セラミック”矯正”と呼ばれていますが、以下のように一般的な矯正治療(ワイヤー矯正やマウスピース矯正)とは大きな違いがあります。

他の治療法との比較

ワイヤー矯正マウスピース矯正セラミック矯正
イメージ※1ワイヤー矯正マウスピース矯正セラミック矯正
治療法歯を根本から動かす歯を根本から動かす歯を削って被せ物を入れる
矯正装置つけるつけるつけない
治療期間※2約1年~3年約1年~3年約2ヶ月~3ヶ月
費用相場※3約80万~120万円約20万~120万円約6万~70万円
  • 1:治療内容によって、使用する装置や治療範囲が大きく異なります。
  • 2:治療期間は、お口の中の状態や治療方針によって大きく異なります。
  • 3:費用は、治療内容や歯医者によって大きく異なります。
矯正認定医:下元

では次に、セラミック矯正の治療手順を紹介していきますね!

①カウンセリング・治療計画の提案

セラミック矯正を希望される場合は、まずはじめに歯医者で「カウンセリング・治療計画の提案」を受けます。

カウンセリングでは、

  • 現時点でのお口の中の状態をチェック
  • 歯の形・色などについて患者さまの要望を伺う
  • お見積りや治療計画の提案

などが行われるのが一般的です。

カウンセリング当日から、治療可能なクリニックもあります。

②検査・土台作り

お見積りや治療計画にご納得いただけた場合には、「検査・土台作り」に入ります。

検査では、

  • 現時点での歯並びの歯型を取る
  • レントゲン撮影を行う
  • お口の中の写真撮影を行う

などして、治療に必要な情報を集めます。

検査後は、天然歯(自分の歯)を削って形を整え、セラミックを被せるための土台を作るのが一般的です。

③仮歯の作成

土台を作ったら、「仮歯(仮の歯)」を装着して、しばらく通常の生活をしてもらいます。

これは、最終的な歯(セラミッククラウン)が入る前に

  • かみ合わせの違和感
  • 歯並びの印象
  • 歯の形

などを確認いただき、細かな調整を行うためです。

④セラミッククラウンの作成&装着

仮歯の状態でOKをいただけた場合には、「最終的な歯(セラミッククラウン)の作成と装着」に入ります。

具体的には、

  • 最終的な歯(セラミッククラウン)の型取りを行う
  • 約1~2週間後に最終的な歯(セラミッククラウン)を装着する

の手順を行うことで、すべての工程が終了します。

①~④までの全工程で、約2ヶ月~3ヶ月ほどかかるケースが多いです。

矯正認定医:下元

では次に、なぜ他の治療法に比べてセラミック矯正は治療期間が短くなるのかについて説明していきます。

セラミック矯正の手順だと治療期間が短くなる理由

セラミック矯正の手順だと治療期間が短くなる理由

セラミック矯正の手順だと治療期間が短くなる理由は、「歯を動かす必要がないこと」が関係しています。

セラミック矯正は、天然歯(自分の歯)を削って上から人工の被せ物を装着するだけなので、歯を動かす必要がなく治療が約2ヶ月~3ヶ月で完了するのです。

一方でワイヤー矯正やマウスピース矯正は、あご骨に支えられている歯を根本からゆっくり時間をかけて動かすので、治療完了までに成人だと約1年~3年かかってしまいます。

キョウ菜

それなら、セラミック矯正のほうが治療が早く終わるし、患者にとってはメリットが大きそうよね?

矯正認定医:下元

いえいえ。実はセラミック矯正は治療が早く終わる代わりに、患者さまにとって長期的にデメリットになるポイントがあるんですよ!

どういうことか、この後に詳しく説明しますね。

セラミック矯正の手順で治療を受けるメリット・デメリット

セラミック矯正の手順で治療を受けるメリット・デメリット

メリットばかり注目されがちなセラミック矯正ですが、実はあまり知られていないデメリットやリスクも多く存在します。

治療を検討する際には、しっかりセラミック矯正のマイナスポイントもチェックしておきましょう!

矯正認定医:下元

この次に、セラミック矯正のメリット→デメリットの順にそれぞれ詳しく紹介していくので、ぜひ参考にしてくださいね!

メリット

セラミック矯正の主なメリットは、

  1. 治療期間が短い(約2ヶ月~3ヶ月)
  2. 矯正の装置をつけずに、歯並びや見た目を改善できる
  3. 後戻り(矯正前の歯並びに戻る現象)しない
  4. 歯を動かす際の痛みや不快感がない

の4つです。

矯正認定医:下元

気になる部分を人工歯に変えられるので、歯の色・形・歯並びを理想的な状態に仕上げられますよ。

デメリット

一方でセラミック矯正の主なデメリットは、

  1. 健康な歯が犠牲になる
  2. 虫歯や歯周病のリスクが上がる
  3. 経年劣化でセラミックを作り直す際は、再度費用がかかる
  4. 歯の状態によっては神経を抜く必要がある
  5. 見た目やかみ合わせに違和感が出るケースも多い

の5つです。

実は、天然歯(自分の歯)ほど丈夫で長持ちする歯はありません。

どんなにお金をかけた人工歯でも、自分の歯には適わないのです。

そんな優れた天然歯を問題がないのに、セラミックを被せるために削って人工歯を被せてしまうと、

  • 人工歯と天然歯の間に段差ができて、虫歯や歯周病リスクが上がる
  • 歯そのものの寿命が短くなる(歯を失う確率が上がる)

など将来的に様々なトラブルが発生する確率が上がります。

また、セラミック自体はしっかりケアを行えば約10年~20年は持つと言われていますが、天然歯とは違い一生モノではありません。

経年劣化が起こるたびに数万円~数十万円かけて作り直さなければならないので、非常にコスパが悪いのです。

矯正認定医:下元

セラミック矯正は、歯並びを良くするというよりは「良くなったように見せる」という形に近いので治療後の不満も残りやすいです。

その場合でも、削った歯は一生元には戻せません。

後から通常の矯正治療に変更できないケースも多く、できても大掛かりな治療になるなどのリスクがあるので注意してくださいね!

セラミック矯正を検討する際の歯医者選びのポイント&注意点

セラミック矯正を検討する際の歯医者選びのポイント&注意点

『デメリット』でもお伝えしたとおり、セラミック矯正は一時的にはメリットが大きくても、長期的に見るとお口の健康を著しく低下させてしまう危険性がある治療法です。

ですので、もしセラミック矯正を検討するのであれば、

  1. セラミック矯正のメリットだけではなくデメリットもしっかり説明してくれる
  2. 治療後のメンテナンスの必要性も教えてくれる
  3. 他の治療法の選択肢も説明してくれる

歯医者で話を聞いてみるのがおすすめです。

セラミック矯正の良いところだけでなく、悪いところも丁寧に説明してくれるかが歯医者選びの判断ポイントになります。

一部の悪質な歯医者では、十分な説明を省略してセラミック治療だけをすすめてくるケースもあるようなので注意してください。

矯正認定医:下元

迷ったらセカンドオピニオンを活用して、いくつかの歯医者で話を聞いてみるのがおすすめですよ!

大切な天然歯の寿命を縮めてしまう治療だからこそ、慎重に治療を選択しましょう。

結論:セラミック矯正の手順で治療を行う際は慎重に!

それでは最後に、セラミック矯正の重要なポイントを簡単におさらいしていきます。

本記事のおさらい

セラミック矯正とは、天然歯(自分の歯)を削ってセラミック素材の人工歯を被せることで、歯並びや見た目を改善させる治療法のことです。

他の治療手順とは異なり、歯を動かす必要がないので

  1. 治療期間が短い(約2ヶ月~3ヶ月)
  2. 矯正の装置をつけずに、歯並びや見た目を改善できる
  3. 後戻り(矯正前の歯並びに戻る現象)しない
  4. 歯を動かす際の痛みや不快感がない

などのメリットがあります。

一方で通常の矯正治療とは違い、

  1. 健康な歯が犠牲になる
  2. 虫歯や歯周病のリスクが上がる
  3. 経年劣化でセラミックを作り直す際は、再度費用がかかる
  4. 歯の状態によっては神経を抜く必要がある
  5. 見た目やかみ合わせに違和感が出るケースも多い

といった、治療後のデメリットやリスクには注意しなければなりません。

そのため歯医者選びの際は、他の治療の選択肢やセラミック矯正のデメリットも丁寧に説明してくれる歯医者で話を聞くのがおすすめでしょう。

以上、今回はセラミック矯正についてお話しました。

セラミック矯正は、通常の矯正治療にはないメリットがある分、デメリットも大きいです。

治療後に年齢を重ねてから後悔をしないためにも、しっかり歯医者での説明を受け納得した上でセラミック矯正を受けるか否かを検討しましょう!

矯正認定医:下元

お口の中の状態は、患者さまによって大きく異なります。

自分にとってのベストな治療法に迷われた場合は、直接相談にのることも可能ですので遠慮なくお問い合わせください。

少しでも、お悩みをもっている患者さまのお力になれたら幸いです。

Let's share

コメント

コメントする

目次