
子供の歯並びが悪くなってきた気がするけど、なぜだろう?



大人になってから歯並びが悪くなったけど、どうすればいいんだろう?
といった疑問をお持ちの方。
たしかに歯並びは見た目の印象や噛み合わせを大きく左右するので、正しい原因を知って対処していきたいですよね。
そこで本記事では、日本矯正歯科学会・認定医の下元が
- 子供の歯並びが悪くなる3つの原因&対処法
- 大人の歯並びが悪くなる5つの原因&対処法
- 歯並びが悪くなるのを放置するリスク
- 【子供・大人別】歯並びが悪くなったらどうすればいい?
の順に、歯並びが悪くなる原因と対処法の重要なポイントだけを簡単に紹介していきます。



ぜひ、ご一読くださいね!
下元 康英(しももと やすひで)
大阪(梅田)・東京(新宿)の2院で理事長と矯正担当医を兼務。
患者さま利益を追求した治療をするために、治療の長所だけでなく欠点も丁寧に伝えるカウンセリングに力を入れている。


日本矯正歯科学会・認定医
オランジェ矯正歯科グループ理事長
子供の歯並びが悪くなる3つの原因&対処法


子供の歯並びが悪くなる原因は、大きく分けて
- 遺伝
- 生活習慣
- 虫歯
の3つです。



それぞれどういうことか、詳しくお話していきますね!
①遺伝
子供の歯並びが悪くなる1つ目の原因は、「遺伝」です。
顔・背の高さ・体質などが遺伝の影響を受けるように、
- 歯やアゴの大きさ
- 上下の骨格のバランス
- 生え方
なども遺伝の影響を受けやすい傾向があります。
結果的に、ご両親の歯並びが悪い場合は、子供も歯並びが悪くなる可能性があるのです。
対処法
「親の歯並びが悪く、子供の将来的な歯並びが心配」という場合には、
- 日本矯正歯科学会の認定医や専門医がいる
- 歯列矯正について積極的に情報発信している
- 矯正歯科を中心に診療を行っている
の3つの条件を満たす経験豊富な矯正担当医がいる歯医者で、定期検診を受けるのがおすすめです。
お子さまの状態に合わせて経過を見ながら、適切な治療方針や治療タイミングを決められます。
ただし、遺伝はあくまでも一つの要因に過ぎません。
諸説ありますが、遺伝の影響で子供の歯並びが悪くなるのは3割程度。
残り7割は、この後に紹介する生活習慣やお口の環境(後天的要因)によって悪くなるケースが多いのです。



つまり、ご両親の歯並びが良くても悪くても、子供の歯並びは悪くなる可能性があります。
では次に、なぜ歯並びが後天的要因で悪くなるのかについて解説していきますね!
②生活習慣
子供の歯並びが悪くなる2つ目の原因は、「生活習慣」です。
具体的には、以下の2つの生活習慣が歯並びに悪影響を及ぼす可能性が高くなります。
癖
- 指しゃぶりや爪咬み:前歯の位置や噛み合わせのズレが発生する
- 舌の癖:舌で前歯を押す癖があると、前歯が押されて出っ歯になりやすい
- 口呼吸:口呼吸をしていると、口を開けた形にあうように顎が成長し、歯並びが悪くなる
姿勢
- 頬杖をつく:子供の骨格は柔らかいので、頬杖でも歯並びや噛み合わせのズレが発生しやすい
- 寝癖:いつも横向きやうつぶせで寝ていると、頭の重さで骨格や歯並びが歪みやすくなる
対処法
指しゃぶりや噛み癖などは、歯並びへの悪影響が出始める6~8歳前後を目安に少しずつやめさせていくと理想的です。
お子さまの様子を観察しながら、声がけなどをはじめてみましょう!
頬杖などの手癖については、「頬杖による悪影響」を説明した上で、気づいたら声がけをしてやめられるように注意深く見守ってあげるのがおすすめです。
また、寝る向きがいつも一緒の子供は親の方向を向いて寝るケースが多いです。
親の寝る位置を定期的に変えてあげるなどして対応しましょう。
スナック菓子などの柔らかいものばかり食べていると、アゴの発育が鈍化して歯並びが悪くなることがあります。
ただし、食生活は5年~10年かけて歯並びにゆっくり影響を及ぼすものです。
神経質になりすぎず、少しずつ対策すると良いでしょう。
③虫歯
子供の歯並びが悪くなる3つ目の原因は、「虫歯」です。
稀に「乳歯は生え変わるし、最悪虫歯になっても問題ない」と考える親御さんがいらっしゃいます。
しかし、それは大きな誤りです。
なぜなら、虫歯が進行して通常よりも早い段階で乳歯を失ってしまうと、
- 失った乳歯の両隣の歯が
- 歯がないスペースに傾いてしまい
- 永久歯への生え変わりが上手くいかなくなって
歯並びが乱れてしまうからです。
さらに、虫歯による痛みで無意識のうちに
- 偏った噛み方
- 噛む回数を減らす
などの癖がつくことで、アゴの発育に悪影響が出てしまう可能性もあります。
さらに、お口の中に虫歯菌が多い状態で永久歯に生え変わってしまうと、大人の歯である永久歯も虫歯に侵されるリスクが高くなってしまうのです。
対処法
歯が生え始めた段階から、家族全員で歯医者の定期検診に行く習慣をつくるのがおすすめです。
定期検診でクリーニングを受けて、子供だけでなく親御さんのお口の中の虫歯菌も少なくしておくことで、口移しなどによる虫歯リスクを下げられます。
また、定期検診で早い段階で虫歯を発見できれば、状態が悪化する前に治療できるので乳歯を失う心配がありません。



乳歯は虫歯になってもそれほど黒くならず、目視で確認するのが難しいです。
定期的に歯医者でのチェックを受けるようにしましょう^^
では次に、大人になってから歯並びが悪くなる原因&対処法を紹介していきます。
大人の歯並びが悪くなる5つの原因&対処法


大人の歯並びが悪くなる原因は、
- 歯が抜けたまま放置している
- 歯周病
- 親知らず
- 歯ぎしりや食いしばり
- 生活習慣
の5つです。



「大人になってから、歯並びが変わることはない」と思っている方も多いです。
しかし、実は上記が原因になって成人してから歯並びが悪くなることがあります。
詳しくは、この後に一つひとつお話していきますね!
①歯が抜けたまま放置している
大人になってから歯並びが悪くなる1つ目の原因は、「歯が抜けたまま放置している」です。
歯には、どうにか空いたスペースを埋めようとする習性があります。
具体的には、歯が抜けたまま放置してスペースが空いていると、時間をかけて徐々に
- 抜けた歯と噛み合う上下どちらかの歯
- 抜けた歯の両隣の歯
が傾いたり伸びたりしてくるのです。
そのため、



噛むのに困らないし、放っておこう。



痛みもないから、時間ができてから歯医者に行こう!
と考えて虫歯や歯周病などで歯が抜けたまま放置していると、噛み合わせや歯並びが大きく乱れてしまいます。
対処法
歯が抜けたまま放置するのは、百害あって一利なし!
とにかく早く歯医者で治療を受けましょう!
早めに治療すれば、歯並びへの影響もほとんどありません。
また、仮歯の状態で治療を中断する期間が長くても、歯並びへの悪影響が出やすいです。
仮歯はプラスチックでできており、使っていくうちに削れて噛み合わせがズレてしまうからです。
- 虫歯や歯周病などで歯が抜けたままになっている
- 仮歯のまま、治療を中断している
などにお心当たりがある方は、できるだけ早く歯医者で治療を受けるようにしましょう。
②歯周病
大人になってから歯並びが悪くなる2つ目の原因は、「歯周病」です。
歯は、歯槽骨(しそうこつ)という骨で支えられています。
歯周病が進行すると、歯周病菌がこの歯槽骨を溶かしてしまうので、歯が
- ぐらついたり
- 動きやすくなったり
する影響で歯並びが悪くなることがあるのです。
対処法
歯周病予防の基本は、歯垢(歯の汚れ)を落とすことです。
- 毎日の丁寧な歯磨き
- 歯医者での定期的な歯石除去
が最も有効な歯周病予防になります。



歯並びだけではなく、お口全体の健康を守っていくためにも、歯医者の定期検診にいく習慣をつくりましょう!
③親知らず
大人になってから歯並びが悪くなる3つ目の原因は、「親知らず」です。
医学的には、親知らずがあるからといって必ず歯並びが悪くなるとは言い切れません。
ただし、
- 下アゴが小さく親知らずが生えてくるスペースがない
- 親知らずが横向きや斜め方向に生えて、前の歯を後ろから押している
- 歯肉や骨に埋まって、歯の一部が露出している
などの場合には、
- 前歯の向きが変わる(出っ歯になってくる)
- 歯並びがデコボコになる
などの歯並びへ悪影響が出る可能性が高まります。
対処法
治療方針や親知らずの状態によっては、抜かないほうがメリットが大きいケースもあります。
とりあえず”抜歯”するのではなく、
- 日本矯正歯科学会の認定医や専門医がいる
- 歯列矯正について積極的に情報発信している
- 矯正歯科を中心に診療を行っている
の3つの条件を満たす経験豊富な矯正担当医がいる歯医者で、抜いたほうが良いか否かを相談してみましょう!


④歯ぎしりや食いしばり
大人になってから歯並びが悪くなる4つ目の原因は、「歯ぎしりや食いしばり」です。
成人の噛む力は一般的に40~70㎏と言われていますが、夜間の無意識下の歯ぎしりや食いしばりでは300㎏もの力が歯に加わります。
そのため、歯ぎしりや食いしばりによって、歯の損傷がひどくなると、
- 歯が摩耗して噛み合わせが変わってしまう
- 歯が徐々に移動したり傾いたりする
- 歯が清潔な状態でも歯周病が進行する
などの影響で歯並びが悪くなってしまうことがあるのです。
対処法
対処法は、大きくわけて2つあります。
1つ目が、ナイトガードによる対症療法です。
ナイトガードと呼ばれるプラスチック製のマウスピースを装着して、就寝時の歯ぎしりや食いしばりによるダメージを緩和します。
歯医者では保険適用の治療になるので、3割負担の場合は5,000円前後※で、歯並びにあわせたものを作ることが可能です。
2つ目が、根本的な原因の改善になります。
歯ぎしりや食いしばりが発生する原因は諸説ありますが、大きく
- 噛み合わせの悪さ
- 就寝前の飲酒
- ストレス
の3つが関係性が深いと言われています。
そのため、
- 噛み合わせの悪さは、歯列矯正を検討する
- 就寝前の飲酒は、お酒の量や飲む回数を減らす
- ストレスは、軽い運動やリラックスタイムの確保
などをナイトガードと合わせて意識することで、歯ぎしりや食いしばりによる影響を抑えられます。
- 別途、別途初診料・再診料・検査料・管理料などがかかります。
⑤生活習慣
大人になってから歯並びが悪くなる5つ目の原因は、「生活習慣」です。
大人も子供と同じように
- 頬杖をついたり
- いつもうつぶせや横向きに寝ていたり
- 口呼吸をしたり
すると、アゴ骨がずれたり舌が正しい位置に収まらなくなる影響で、歯並びが悪くなることがあります。
対処法
頬杖などの癖は、無意識下で行われるため
- 周囲に指摘してもらう
- 適度に運動して姿勢を正す
などして意識的に改善していく必要があります。
また、うつぶせや横向きに寝る癖が付いている人は、枕やマットレスを自分に合うものに変えるなどして対処すると良いでしょう。
口呼吸については、アレルギー外来でハウスダストやほこりなどのアレルギー治療をして鼻詰まりを解消して、鼻呼吸への改善を目指してみてください。
ただし、睡眠時無呼吸症候群のように呼吸が頻繁に止まるなど状態がひどい場合には、専門外来を受診して早期に治療を受けるのがおすすめです。



では次に、歯並びが悪くなるのを放置するリスク説明していきます。
歯並びが悪くなるのを放置するリスク


歯並びが悪くなるのを放置すると、
- 歯磨きがしにくくなり、虫歯や歯周病になりやすくなる
- 口元がコンプレックスになり、歯を見せて笑いにくくなる
- 噛み合わせがずれて、しっかり噛めなくなる
- 一部の歯にかかる負荷が強くなり、歯が折れてしまう
- 滑舌が悪くなる
など、様々なリスクが発生します。
そのため、歯並びが悪くならないように、
- 歯医者の定期検診
- 毎日の歯磨き
- 生活習慣の見直し
などでしっかり予防していくのが重要です。



では次に、すでに歯並びが悪くなってしまった場合には、どう改善すれば良いのかについてお話していきます。
【子供・大人別】歯並びが悪くなったらどうすればいい?


残念ながら一度悪くなってしまった歯並びは、「矯正治療をする」以外に改善方法がありません。
歯並びが悪くなったのを治したい場合には、
- 日本矯正歯科学会の認定医や専門医がいる
- 歯列矯正について積極的に情報発信している
- 矯正歯科を中心に診療を行っている
の3つの条件を満たす歯医者で相談してみるのがおすすめです。
初回カウンセリングは、自由診療のため料金が全国一律ではありませんが、目安として無料~5千円前後かかるケースが多いです。
相談しても、必ず治療を受ける必要はありません。



まずは、お気軽に気になる歯医者で相談をしてみてください^^
また、
- 指やスプーンでは歯を強く押したり
- 市販のマウスピース
などで自分で歯並びを治す民間療法は、
- かえって咬み合わせが悪化したり
- 歯が欠けてしまったり
する危険性があるので注意しましょう。



では次に、子供と大人で異なる治療の開始タイミングなどについて紹介していきます。
子供の場合
子供の矯正は、2つの治療時期に分けられます。
具体的には、
- 一期治療:約6~12歳頃(乳歯と永久歯が生え変わる時期)
- 二期治療:約12歳頃~大人まで(永久歯が生え揃った時期)
の2つです。
それぞれの段階で行える治療法が異なります。
治療をスタートさせるタイミングはケースバイケースですが、6~7歳ごろの上下の永久歯が生え始めたころに相談に来られる方が多いです。
ただし、


受け口
別名:反対咬合(はんたいこうごう)、下顎前突症(かがくぜんとつしょう)


開咬(かいこう)
別名:オープンバイト


交叉咬合(こうさこうごう)
別名:すれちがい咬合、クロスバイト
などの不正咬合は、早めに治療したほうが良い場合もあります。



気になる方は、お子さまの年齢に限らず矯正治療に積極的な歯医者で、まずは相談をしてみると良いでしょう。
大人の場合
大人の場合は、すでにアゴの成長発育が止まっているため、時期による治療法の違いはありません。
歯や歯を支える骨などに問題がなければ、例え50代~70代でも矯正治療を受けられます。
ただし、
- 引っ越し
- 妊娠(出産)
などのライフイベントが控えている場合には注意が必要です。
なぜなら、全体矯正の場合は治療期間が平均で2~3年かかるケースが多いからです。
引っ越しで通院が難しくなったり、悪阻(つわり)で治療を中断せざる得ない可能性が考えられます。
心配な方は、あらかじめ担当医と相談して治療をスタートさせるタイミングを決めるのがおすすめでしょう。



当院では、患者さまに安心して治療を受けていただくために、結婚式・妊娠(出産)・引っ越しなどのライフイベントに対応できるシステムをご用意しております。
詳しくは、こちらを御覧ください!


結論:歯並びが悪くなる原因と対処法のまとめ
それでは最後に、「歯並びが悪くなる原因と対処法」について重要なポイントだけを簡単におさらいしていきます。
子供の歯並びが悪くなる原因は、
- 遺伝
- 生活習慣
- 虫歯
の3つです。
一方で大人は、
- 歯が抜けたまま放置している
- 歯周病
- 親知らず
- 歯ぎしりや食いしばり
- 生活習慣
の5つが原因で歯並びが悪くなるケースが多いです。
歯並びが悪くなると様々なリスクが発生するので、定期的な歯科健診を受けて生活習慣を意識的に見直し、歯並びが悪くならないように予防しましょう。
また、一度悪くなってしまった歯並びは矯正治療でしか治せません。
すでに歯並びが悪くなってしまった場合には、
- 日本矯正歯科学会の認定医や専門医がいる
- 歯列矯正について積極的に情報発信している
- 矯正歯科を中心に診療を行っている
の3つの条件を満たす歯医者で相談してみるのがおすすめです。
以上、今回は「歯並びが悪くなる原因と対処法」についてお話しました。
歯並びは一度悪くなってしまうと、矯正治療以外で治す方法がありません。
歯並びの悪さが悪化すると、治療期間も治療費もかかります。
本記事を読んで、これ以上歯並びが悪くならないように予防してみてくださいね!



当院では、子供・大人関係なく幅広い年齢の患者さまの治療が可能です。
歯並びのお悩みをお持ちの方は、お気軽にお問い合わせくださいませ^^
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