
矯正してみたいけど、担当医の話に納得できなかった…。



治療法や費用について、他の歯科医院の話も聞いてみたい!
そんなときは、「歯列矯正のセカンドオピニオン」を利用するのはいかがでしょうか?
セカンドオピニオンとは、
- 納得のいく治療法を選ぶために
- 担当医以外の歯科医師に
- 「第2の意見」を求める
ことです。
この「セカンドオピニオン」を賢く利用すれば、様々な歯科医師の意見を比較して希望する治療を受けやすくなります。
ただし、利用時にはいくつかの注意点があります。
まずは、この記事を読んでセカンドオピニオンを受ける前の心構えを知っておくのがおすすめです。
具体的には、日本矯正歯科学会・認定医の下元が
の順に重要なポイントだけを簡単に紹介していきます。



ぜひ本記事を活用して、効率的なセカンドオピニオンの受け方を知ってくださいね!
下元 康英(しももと やすひで)
大阪(梅田)・東京(新宿)の2院で理事長と矯正担当医を兼務。
患者さま利益を追求した治療をするために、治療の長所だけでなく欠点も丁寧に伝えるカウンセリングに力を入れている。


日本矯正歯科学会・認定医
オランジェ矯正歯科グループ理事長
歯列矯正のセカンドオピニオン!2つのメリットとデメリット


歯列矯正のセカンドオピニオンを受ける前に、まずは代表的なメリット・デメリットを知っておきましょう。
メリット
メリットは大きく分けて、
- 疑問や不信感があるときに第2の意見を聞ける
- 自分と相性の良い担当医を探せる
の2つです。



それぞれどういうことか、お話していきますね。
①疑問や不信感があるときに第2の意見を聞ける
セカンドオピニオンを利用する1つ目のメリットは、「疑問や不信感があるときに第2の意見を聞ける」点です。
実は一口に歯列矯正といっても、歯科医院によって
- 治療方針
- 選べる治療法
- 費用
- 保証内容
- 治療期間がどれくらいかかるか
などは大きく異なります。
インターネットで歯列矯正について調べているときに、同じ歯科医師でも全く異なる意見を発信している人がいるのは、こういった理由が関係しているのです。
そのため、現担当医に疑問や不信感がある際には、セカンドオピニオンを利用して他の歯科医院の話を聞くことで、
- 治療費の相場を知り
- 様々な角度の情報を得て
- 希望に近い治療を受けられる
確率が上がります。



歯列矯正は通常の歯科治療よりも、治療費や治療期間がかかります。
ぜひ納得できる形で治療をスタートさせられるように、セカンドオピニオンの利用を検討してみてくださいね!


②自分と相性の良い担当医を探せる
セカンドオピニオンを利用する2つ目のメリットは、「自分と相性の良い担当医を探せる」点です。
治療方針や費用に納得していても、人間同士ですからどうしても「この先生とは合わないな~」ということがありますよね。
そういった場合には、セカンドオピニオンを利用して相性の良い担当医を探すのも1つの手でしょう。
なぜなら、矯正は通常よりも治療期間が長いため、相性が合わない担当医に治療を任せてしまうと患者さまご自身が長期間ストレスを抱えることになるからです。
治療法別の治療期間の目安
ワイヤー矯正 | マウスピース矯正 | 裏側矯正 | |
---|---|---|---|
イメージ※1 | ![]() ![]() | ![]() ![]() | ![]() ![]() |
治療法 | 歯を根本から動かす | 歯を根本から動かす | 歯を削って被せ物を入れる |
治療期間 | 約1年~3年 | 約1年~3年 | 約1.5年~4年 |
- 1:治療内容によって、使用する装置や治療範囲が大きく異なります。
- 2:治療期間は、お口の中の状態や治療方針によって大きく異なります。



治療が終わっても、メンテナンスで担当医とは定期的に顔を合わすことになります。
長期的に信頼できる歯科医師と治療をスタートしておくのが理想的ですね。
では次に、セカンドオピニオンを受ける際のデメリットを紹介します。




デメリット
セカンドオピニオンを受ける際のデメリットは、「手間と費用がかかる点」です。
歯列矯正のセカンドオピニオンは、歯科医院によって費用が異なります。
相談料として5千円~1万円程度かかる歯科医院もあれば、無料でカウンセリングをしてくれる歯科医院もあるので利用時には注意しましょう。
また、セカンドオピニオン利用時には、この次のパートで紹介するような注意点に気をつけて相談先を探す手間もあります。
ちなみに当院では、セカンドオピニオンの費用はいただいておりません。
ご不安な点がある場合には、遠慮なくご相談いただければ幸いです。
歯列矯正のセカンドオピニオンを利用するおすすめのタイミング


セカンドオピニオンを利用するおすすめのタイミングは、「治療の契約をする前」です。
なぜなら、セカンドオピニオンを利用して仮に転院したくなっても、治療中だと
- 転院前の歯医者に返金してもらえない
- 転院後の歯医者で新たな治療費が発生する
- 転院前と転院後で治療方針が異なり、治療期間が伸びてしまう
- 転院前と転院後で治療方針が異なり、一から治療がやり直しになる
などの問題が発生してしまうケースがあるからです。



「矯正治療中は転院するよりも、転院しないメリットのほうが大きい」と覚えておきましょう!
では次に、セカンドオピニオン利用時の注意点を紹介していきます。
歯列矯正のセカンドオピニオンを利用する際の6つの注意点


セカンドオピニオンを利用する際は、
- 事前に現担当医へ質問・相談する
- 必ず転院が必要なわけではない
- セカンドオピニオンの利用は現担当医に伝えなくてもOK
- 相談先は経験豊富な担当医がいる歯科医院を選ぶ
- 相談前に予約の連絡を入れる
- 相談前に具体的な質問内容をまとめる
の6つの点に注意しておくとスムーズな相談ができます。



どういうことか、一つひとつ詳しくお話しますね。
①事前に現担当医へ質問・相談する
セカンドオピニオンを利用する際の1つ目の注意点が、「事前に現担当医へ質問・相談する」です。
現担当医との話の行き違いや質問不足で、疑問や不信感が生まれていることも珍しくありません。
まだ気になることを聞けていないという場合には、セカンドオピニオン利用前に現担当医に質問や相談をする時間を取ってもらうのがおすすめです。
ただし、



質問したけど、適当に流されてしまった。



そもそも、相談する時間を取ってもらえない。
という場合には、患者さまとしっかり向き合えていない歯科医師の可能性もあります。



そういったケースでは、セカンドオピニオンを利用してより信頼できる歯科医師を探すのも1つの選択肢です。
②必ず転院が必要なわけではない
セカンドオピニオンを利用する際の2つ目の注意点が、「必ず転院が必要なわけではない」です。
セカンドオピニオンはあくまでも、
- 納得のいく治療法を選ぶ際に
- 担当医以外の歯科医師に
- 「第2の意見」を求める
ために利用するものです。
「セカンドオピニオン=転院しなければならない」制度ではありません。
もちろん転院するか否かは患者さまが自由に決められますが、



セカンドオピニオンを利用して、現担当医の言うことに納得ができた!



他の歯科医師の話を聞いて、より理解が深まった!!
という場合には、あえて転院する必要はないです。



転院には、様々なデメリットがあります。
特に治療中の患者さま場合は、理解を深めるためのセカンドオピニオン利用がおすすめです。
セカンドオピニオン利用後は治療期間や治療費等の関係から、現担当医の治療を受けたほうがメリットが大きいでしょう。
③セカンドオピニオンの利用は現担当医に伝えなくてもOK
セカンドオピニオンを利用する際の3つ目の注意点が、「セカンドオピニオンの利用は現担当医に伝えなくてもOK」です。
セカンドオピニオンを利用するときに、



今の担当医に申し訳ない気がする…。



セカンドオピニオンを利用するって言いにくい。
と悩まれる方がいます。
ですが、現担当医にセカンドオピニオンを利用する旨を伝えなければならないといった決まりはありません。
言い出しにくい場合には、黙って他の歯科医院にセカンドオピニオンの予約をとっても大丈夫です。
ただし、



1つ目の歯医者で検査を受けたときの資料がほしい!



黙ってセカンドオピニオンを受けるのは、心苦しい。
という場合には、「さらに治療の理解を深めたいので、セカンドオピニオンを利用したいのですが…」と伝えれば、ほとんどの歯科医師は快く紹介状や検査資料を用意してくれます。



今後信頼関係のない状態で、治療を進めていくのはお互いにとってマイナスですからね!
もし、資料請求などを断られたりした場合には、患者よりも自分の気持ちを優先する歯科医師なのかもしれないと考えておきましょう。
④相談先は経験豊富な担当医がいる歯科医院を選ぶ
セカンドオピニオンを利用する際の4つ目の注意点が、「相談先は経験豊富な担当医がいる歯科医院を選ぶ」です。
なぜなら、第2の意見を聞くのであれば、
- 歯列矯正に積極的に取り組んでいて
- 知識や経験豊富な歯科医師
の話を聞いたほうが、有益なアドバイスなどをもらえる確率が高まるからです。



セカンドオピニオンを利用するのであれば、”誰”から第2の意見をもらうかが1番重要になりますね!
具体的には、以下の3つのポイントを満たす歯科医院で話を聞いてみるのがおすすめです。
- 日本矯正歯科学会の認定医や専門医がいる
- 歯列矯正について積極的に情報発信している
- 矯正歯科を中心にして診療を行っている
→ホームページを見ると、「どんな歯科医師がいて」「どの診療に積極的に取り組んでいるか」をチェックできるケースが多いです。
⑤相談前に予約の連絡を入れる
セカンドオピニオンを利用する際の5つ目の注意点が、「相談前に予約の連絡を入れる」です。
というのも、予約無しで行ってしまうと、特に混んでいるときには十分な相談時間を確保してもらうのが難しくなります。
せっかく相談に行ったのに、「今日は混んでいるので、後日またゆっくり話を聞かせてください」という形になる可能性もあるので事前予約は徹底しましょう。
また、歯科医院によってはセカンドオピニオンを受け付けていないケースもあります。



予約の段階で、「セカンドオピニオンの利用は可能ですか?」と念の為確認を取っておくと安心でしょう。
⑥相談前に具体的な質問内容をまとめる
セカンドオピニオンを利用する際の6つ目の注意点が、「相談前に具体的な質問内容をまとめる」です。
事前に予約はとっていても、患者さま1人あたりの相談時間には限りがあります。
短時間で効率的にセカンドオピニオンを利用するためには、事前に具体的な質問内容をまとめておくのがおすすめでしょう。



でも、セカンドオピニオンでどんなことを質問したらいいのか悩むなぁ~。



たしかに、質問内容をまとめるのは難しいですよね。
そういった方は、この次に紹介するような相談事例を見て質問内容を準備してみるのがおすすめですよ。
【ケース別】歯列矯正のセカンドオピニオンでよくある相談事例


セカンドオピニオンでよくある相談事例は、
- 治療開始前
- 治療中
- 治療後
で異なります。



詳しい内容はこの後に紹介しているので、セカンドオピニオン利用時の質問内容を考える際には参考にしてくださいね!
治療開始前のケース
治療開始前は、
- 治療方針
- 治療方法
- 治療費
- 治療期間
などについて、「1つ目の歯医者で説明を受けたけど、実際どうですか?」といった形でセカンドオピニオンを利用する患者さまが多くなります。
具体的には、以下のようなご質問・ご相談をいただくケースが多いです。
- 治療費は相場から見てどうですか?
- 治療期間をもっと短くできないですか?
- 本当に矯正治療が必要な状態ですか?
- 現在の治療方針は本当にわたしに合っていますか?
- 矯正治療の開始時期はいつが最適ですか?
- 本当に抜歯する必要はあるんですか?
- 他の治療方法や装置は選べないのですか?
- 裏側矯正は難しいと言われたけど、本当ですか?
- 矯正治療前に親知らずを抜く必要はありますか?
治療中のケース
治療中は、現在受けている歯列矯正に対して疑問や不安を抱いた場合にセカンドオピニオンを利用する患者さまが多くなります。
具体的には、以下のようなご質問・ご相談をいただくケースが多いです。
- 治療が当初の予定より遅れているけど、どう思いますか?
- 噛み合わせが悪くなったような気がするけど、大丈夫ですか?
- 担当医が忙しくて、質問する時間ないのですがこのまま進めて大丈夫ですか?
- 見積もりにない追加費用が発生しましたが、払う必要はありますか?
- 口元の印象が悪くなった気がして心配ですが、このまま進めても大丈夫ですか?
治療後のケース
治療後は、矯正治療の結果に不満がある患者さまがセカンドオピニオンを利用するケースが多くなります。
具体的には、以下のようなご質問・ご相談をいただくことが多いです。
- 治療したのにまた歯並びが悪くなってきたけど、どうしてですか?
- 出っ歯や受け口が治った感じがしないけど、実際どうですか?
- 治療してから噛みにくくなってしまったけど、どうすればいいですか?
- 再治療する場合には、どうなりますか?



どのタイミングでセカンドオピニオンを利用するかによって、相談内容は異なります。
上記を参考に質問内容を紙にまとめておくと、スムーズに相談できますよ!
結論:歯列矯正のセカンドオピニオンを賢く利用しよう!
それでは最後に、「歯列矯正のセカンドオピニオン」について重要なポイントを簡単におさらいしていきます。
セカンドオピニオンとは、
- 納得のいく治療法を選ぶために
- 担当医以外の歯科医師に
- 「第2の意見」を求める
ことです。
セカンドオピニオンのメリットは大きく分けて、
- 疑問や不信感があるときに第2の意見を聞ける
- 自分と相性の良い担当医を探せる
の2つになります。
デメリットは、相談先を探したり相談しにいく手間がかかることです。
セカンドオピニオンを利用するおすすめのタイミングは、「治療の契約をする前」です。
治療中にセカンドオピニオンを利用して転院を検討する際は、様々なデメリットが発生する点に注意しましょう。
セカンドオピニオン利用時には、
- 事前に現担当医へ質問・相談する
- 必ず転院が必要なわけではない
- セカンドオピニオン利用は現担当医に伝えなくてもOK
- 相談先は経験豊富な担当医がいる歯科医院を選ぶ
- 相談前に予約の連絡を入れる
- 相談前に具体的な質問内容をまとめる
の6つの点に注意しておくとスムーズな相談ができます。
以上、今回は「歯列矯正のセカンドオピニオン」についてお話しました。



本記事を読んでみて、セカンドオピニオンを利用してみたくなった場合には、遠慮なくお問い合わせくださいね!
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